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『キスリング展』

キスリング展 エコール・ド・パリの夢

東京都庭園美術館

6月中旬からの課題ラッシュ期間ですが、

これだけは と思い観てきました。

キスリングはポーランドで生まれ、主にフランス・パリで活躍した画家です。

幾何学的な要素のあるアールデコ、キュビズムの画家との交流、セザンヌ、古典絵画、

2度の世界大戦、フランスでの生活が作品に影響を与えたこととしてあげられていました。

キスリングの描くもので印象的だったのは、

人物では大きな目、小さめの唇、楕円形の手、女性のマット肌、洋服です。

フライヤーや展示のキービジュアルにもなっていた

「ベル=ガズー(コレット・ド・ジュヴネル)」は、

後に映画などで活躍する女優さん。

目のあたりに落ちてる影から最初は暗い印象でしたが、

実際にみると、女優さんの綺麗な色っぽさがある絵だと感じました。

「ジロン氏の肖像」では、おじさんが持っていた帽子のリボン(?)の部分から

ちょっと糸がほつれているように見えて二度見しました。(もしかしたら光の加減…)

「ブルターニュの女」、黒い服と白いレースの被り物と顔がめちゃくちゃきれいでした。

全体的に洋服のセンスが好きです。

花は「ミモザの花束」など細かい花の絵を間近でみたときに

絵の具で立体的に見せていたところですごく綺麗で面白かったです。

ポストカードが売り切れでした。欲しかった…

色では、黒や青に緑を混ぜる一方で、一色で見せていたことが多かった赤もよかったです。

使っている色一つ一つがパッと華やかで派手な印象もありますが、それでもまとまっていました。

肖像画、裸婦、花、風景と、描いているものは具象ですが、

描かれている線や形は単純化され、イラストレーションのような雰囲気もありました。

展示解説にもありましたが、時代の流れに流され過ぎず、

独自の描き方や絵柄を持っている画家であることがわかりました。

パリに溶け込むように過ごしていたキスリングでしたが、

第一次世界大戦ではフランスで一時徴兵され、

第二次世界大戦ではユダヤ人であり反ナチス運動に参加したことから、

死刑宣告も出ましたがなんとかアメリカに亡命し、パリに再び戻ってから最後まで絵を描き続けていたようです。

大変な時代でも描きたいと思う意志があれば、なんとかなるのかなと

少し勇気をもらいました。


キスリングは主な拠点はパリでしたが、

ポーランドにますます興味がわきました。

5年以内に行けたらいいな…

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